芝生コンサルタント・芝生のページ   


(問題提起.1) : 日本に芝生文化はあるのか。

ハワイ・ホノルルの町の様子
   

京都の町の様子
  
芝生が悲惨な状態になっている。      ロープで立ち入り禁止になっている。     ターフが傷んでいる。



(問題提起.2)芝生の生命力

  
芝生のストロンはこれだけ伸びる          石灰岩に根をおろして自生している芝生


一般的な芝草の種類

① 暖地型芝草 (気温25~35度Cが適温)
ゾイシアグラス・・・・・・・・・・・・・ ノシバ、朝鮮系細葉ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバ、等 ゾイシア属の芝草、亜熱帯原産
バミューダグラス ・・・・・・・・・・ 夏の暑さに強い、亜熱帯原産
テッフトン芝・・・・・・・・・・・・・・・ バミューダグラスの四倍体、ゴルフ場のグリーンやフェアウェイ用に開発された
シーショアパスパラム・・・・・・・ バミューダクラスの一種で塩害に強い種類
センチピードグラス・・・・・・・・・寒さに弱い、アレロパシーと繁殖力強く畦畔に利用されている。タキイ種苗のティフブレアが流通している。
セントオーガスティングラス・・・・西インド諸島原産、センチピドグラスよりも芝芽粗い。

② 冷涼地型芝草・・・・・・・・・・・気温15~25度Cの涼しい機構に適している。通常では夏の暑さには耐えられない。
ベントグラス・・・・・・・・・・・・・・・きめが細かくゴルフ場のグリーンに最適な芝草、よりきめの細かい新品種が作られている。
ケンタッキーブルーグラス・・・・ややきめの細かい芝草、サッカー場に使われる。
フェスキュー・・・・・・・・・・・・・・・きめが粗い芝草、元々牧草
ライグラス・・・・・・・・・・・・・・・・・ペレニアル(多年型)とアニュアル(一年型)がある。夏に弱い。



ゴルフ場のグリーンのように、冷涼地型芝草でも管理によっては夏場を過ごすことが出来る。

  
左図のように根を長く伸ばす。 右図のように断面が層になっていると中図のように根が伸びない。

根を深く伸ばすには・・・
  
左図はベンティング(排水を良くする) 中図はコアリング(古い腐った芝生の茎や根を取り去る) 右図はロングタインによる穴あけ


芝生の害虫

シバツトカの卵、幼虫、成虫 (外来種)
 

スジキリヨトウ成虫 (在来種)


シバオサゾウムシ成虫 左がオス 右がメス
 




地球温暖化問題とエネルギー問題

植物の役割は偉大である。全ての始まりは、「神は光あれと言われた。すると光があった。」

やがてその光をエネルギーに変える生物が出現した。光合成である。最初はシアノバクテリアが水中で光合成を始めると、徐々に地球の大気にO2が増え始めた。やがてオゾン層が形成されて紫外線がさえぎられると、それらの生物は陸上に進出した。陸上に藻類や地衣類が繁茂して、それらが死に絶えて土壌中に有機物が増えると、益々植物が繁茂してO2が増えていった。

【光合成反応】

6CO2+12H20+光エネルギー→C6H12O6+6H2O+6O2

 植物は(炭酸ガス)と(水)と(光エネルギー)から(糖・グルコース・でん粉)をつくる。光合成によって(炭素)を固定して、(水)から(酸素)をつくり出す。

【C3植物とC4植物】

 通常は葉肉細胞の葉緑体内のクエン酸回路で光合成が行われ、CO2からPGA(ホスグリセリン酸)が出来る。このPGAは炭素3つの化合物であるから、C3植物と呼ばれる。一方、C4植物は葉肉細胞と維管束鞘細胞の両方の葉緑体が合わさって回路を作り光合成をする。この回路はジカルボン酸回路と呼ばれる。このジカルボン酸回路が回ると維管束鞘細胞にCO2が濃縮されるのだ。つまり気温が高く蒸散を防ぐ為に気孔が閉じてCO2が取り込めない時でも光合成が行えるのだ。このジカルボン酸回路では最初にオキザロ酢酸(ジカルボン酸)が出来る。これが炭素4つの物質であるのでC4植物と呼ばれている。この維管束鞘細胞の集まった形をクランツ構造と呼んでいる。

C4植物はノシバ・コウライシバ・バミューダグラス・トウモロコシがそれで、高温・乾燥・低CO2・貧窒素土壌などの気候に対応している。C3植物はベントグラス・ライグラス・ブルーグラス・フェスキュー・イネ・コムギなどだ。

 植物はC・O・Hの他にN・P・K・Ca・Mg・S・Fe・Mn・Cu・Zn・B・Mo・Cl・Al・Na・I・Si などの元素を根から吸収して複雑な有機物(例えばブルーベリーのアントシアニンやトマトのリコピンやランの花の香り物質や樹木類の油精等)を体内で製造する。まるで化学工場だ。

【動物・植物の呼吸と代謝】

C6H12O6+6O2→エネルギー+6CO2+6H2O

 ほとんどの動植物は細胞内で(酸素)を使って(糖分)を代謝してエネルギーを得て生きている。そして(炭酸ガス)を放出する。即ち呼吸だ。

 呼吸による代謝・燃焼・腐食の分解も基本的には同じ反応だ。有機物が完全に分解すると無機物と(炭酸ガス)と(水)になる。光合成と逆の反応だ。この分解によって得られるエネルギーで我々人間も土壌微生物も生きられる。車が動き、飛行機が飛べる。光合成と代謝や燃焼は「還元と酸化」作用でもある。

 植物は光合成によりCO2を還元して有機物を造る。言わば生物の構成要素である糖や脂質は還元剤であり、O2とは結びつきやすい。やがて生物が死ぬと酸化・腐敗あるいは炭化が始まり、最終的にはCO2に戻ることになる。例えば、森林はいかにも(酸素)の供給源だが、落葉や枯れ木が腐ると、最終的には元のCO2に帰るのだ。そうCO2とO2の収支は均衡しているのだ。但し、完全に分解するまで時間がかかる。その間CO2は土壌中の腐食物になったり、石油や石炭のように化石燃料になったり、あるいは植物体や農産物や食品に姿を変えているわけだ。

【地球温暖化】

 地球の大気は元々窒素と二酸化炭素と水蒸気であったものが、やがて光合成をする生物が出現して酸素が大気に含まれるようになった。光をエネルギーに変えて二酸化炭素を固定して、水から酸素を作り出したのである。植物は光合成でCO2を固定して糖やでん粉を作り、根から金属イオンを吸収して、自らの体を作り上げる。やがて自らが死んで分解するする時に光合成で排出したO2で酸化されてCO2と無機物に分解するのだ。植物を食べる虫や人間もやがて死ねば無機物とCO2に分解される。その分解過程が遅い(腐敗)か早い(燃焼)かだけのことだ。江戸時代の暮らしでは、山から取ってきたマキや炭を燃料にしていた。植物や木々が光合成でCO2とH2Oと光エネルギーから有機物とO2を作り、呼吸や燃焼によってCO2とH2Oを排出する。光合成と呼吸(燃焼)の均衡が取れている限り、O2とCO2とH2Oと有機物は増えもせず、減りもしない。こう言う生活をしている限りエコなのだ。

 太古の植物が光合成で作り出したO2が地球の大気の20%を占めるようになった。それらの植物やそれらの植物を食べた虫たちが死後分解しないまま化石燃料(石炭や石油)となって地中に存在しているからCO2が固定されたままで、O2が消費されないでいるのだ。人間はそれに目をつけて、それらを掘り出し、地球が何億年もかかって蓄えてきたものをここ100年位で急激に燃焼・分解させてO2を消費してCO2を大量に排出している。譬えて言えば、自分の稼いだお金で生活するエコサイクルだけでは飽き足らず、先祖が蓄えた資産を大きく食いつぶしているのと同じなのだ。地球環境を守る為には、人間は化石燃料の使用を止めることだ。それでは化石燃料以外の安全な代替エネルギーにはどようなものがあるのだろうか。風力・太陽光・太陽熱等の太陽のエネルギーを用いたもの、水力・潮力・地熱等地球の力を用いるもの、醗酵熱を利用するもの、そして現在の生態系の植物の光合成から得たバイオエタノール・薪炭類等と云ったものが考えられる。経済の発展と称して金儲けのために地球を汚している人達は禍だ、自分自身の事しか頭にない。



 ノーベル賞受賞者の根岸英一氏の「人工光合成」の講演を聞くために上京した。

人工光合成
 専門的な話の内容は私には難しくて理解出来ませんが、Dブロックの繊維金属をクロスカップリングをさせる触媒を発見した功績でノーベル賞を受賞されたとか・・・。そのおかげで軽量で強力な合金が出来て、今話題の飛行機737が誕生したらしい。触媒には偉大な働きがあり、しかもほんの僅かの量で反応が起きるというもの。例えば、光合成は炭酸ガスと水から光エネルギーの力で、糖と酸素ができる反応ですが、ただ単に、炭酸ガスと水を混ぜ合わせただけでは反応は起きません。それを触媒で反応させて、植物の力を借りずに、人工光合成反応を起こすと言うものです。その触媒を見つけると人類の救済に繋がる。何事にも触媒の働きというものは偉大な働きをするものだということが分かりました。どう見てもくっ付きそうにないものをくっつけるのが触媒の働きであり、人生あらゆる面で触媒は必要だと痛感した。それを見つけるのが最も重要なことです。


  
 根岸氏の講演会(人工光合成について)



植物と菌の感染いろいろ

上の写真はフェアリーリングという芝生の病気の一種、このリング(病班)は放射状に外へと広がる。

リングの内部は回復して正常だ。リング状に芝生が枯れて、良く見ると、枯れた部分の外側に濃緑のリングがあることがわかる。芝生の枯れた部分は病原菌が毒素をだして芝生を殺している。逆に濃緑の部分は芝生に栄養を与えている。

Host(植物)とParasite(寄生菌)の栄養の授受の形態

①obligate parasite(絶対的寄生者) 取り付いて栄養を奪う。

生きたhostに取り付いて栄養を奪う者。多くの場合、気孔から菌糸を出して進入し、細胞内に吸器を挿入して栄養を取る。例 うどんこ病 べと病 さび病

②facultative parasite(条件的寄生者) 又は perthophyte(殺生者) 取り付いて栄養を奪って殺す。

生きたhostの組織を毒素のようなもので殺し、栄養を奪う者。多くの場合、クチクラ貫入して菌糸が細胞内に進入し、毒素で細胞を次々と殺していく。例 いもち病  ピシュウム病 リゾクトニア病

③saprophyte(腐生者) 死んだものを分解する。

死んだ組織から栄養を取る者、 純粋培養できる。自然界の分解を助けている。例 椎茸菌 木材腐朽菌

④symbiosis(共生) ヒトの腸内細菌のように共に栄える。

生きた細胞間隙に進入するが、hostは殺さずに栄養のやり取りをして共生する。例 マツタケ菌 菌根菌 エンドファイト

【注】菌根菌
 自然界では菌根菌が野草の根に寄生して、少ない肥料分を効率的に吸収してホスト植物に供給している。また、異なる植物同士が菌根菌を通じて養分のやり取りをしている場合もある。最近では菌根菌が農業や園芸に用いられて作物の生育促進に寄与している。

【注】エンドファイトは内生菌とも呼ばれ、植物体内に共生している菌や細菌で、エンドファイトを持つ宿主は病害虫抵抗性等を獲得する。菌根菌や根粒菌も広義ではエンドファイトに入る。 菌根菌やエンドファイトはホスト植物と互いに会話していると言われている。

土壌昆虫・土壌微生物と腐食

菌・細菌類と土壌微生物は植物残渣を分解して腐食をつくり、土を肥えさせる。ヤスデなど土壌微生物の多い土はバクテリアも多い。



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